今尾恵介
中央線、京王線、小田急線、西武線、青梅線、南武線…。
東京西郊には、さまざまな歴史と表情をもつ鉄道が縦横している。
新旧地形図や時刻表から時代時代の事情や成り立ちを読みとり、沿線地域の発展の歴史を綴る。本文中に140点の地形図を使用。
中央線は、第一義的には東京から甲信両国を経て名古屋に至る国土の基幹鉄道であった。日本初の「国電」はこの線の東京近郊区間に始まったのだが、その利便性は人々を高円寺や荻窪などに引きつけ、急激な人口増加を招くと同時にそれを支えている。一方で、そのライバル京王は文字通り東京と八王子を国鉄の「汽車」より頻繁な運転と、こまめな停留場の設置で利便性を追求した都市間交通を目指したし、小田急はより近代的な高速電車で厚木から小田原へ速達する目的をもち、また箱根への便利な観光ルートを提供する存在でもあった。(はじめに より)
2008年7月28日 第1刷発行
2009年1月30日 第2刷発行
表紙に惹かれて手に取りました。毎日利用している電車や暮らす街の歴史がわかりやすく書かれていて「歴史音痴」で「地図の読めない女」の私でもどんどん読むことができました。いろんな積み重ねの連続があって今がある……。自分の立ち位置を確認できる本ですね。
★地名と記号、線だけで描かれた地形図。しかし子細に変化をたどると、産業の移り変わりや生活環境の変化、時には時代背景をも雄弁に語り出す。(略)私鉄編とJR・モノレール編に分け、鉄道の成り立ちを軸に、140点余の新旧地形図を比較しながら明治から平成にかけての変容をくっきりと浮かび上がらせた。(7/21付 朝日新聞/武蔵野版 多摩版)